この記事で分かること!
・ダントーニシステムとは何か
・ダントーニ・システムの3つの考え方
① 得点効率を考えたシュート距離(ルール)
② 7秒以内の素早い攻撃(ルール)
③ 優秀なポイントガード(条件)
・ダントーニ・システムの戦術
ダントーニシステムとは
「得点効率」と「素早い攻撃」を意識して、攻撃を作る考えを「ダントーニ・システム」と呼びます。
NBAチームのヒューストン・ロケッツで指揮を取る「マイク・ダントーニ」氏が編み出したオフェンスシステムになります。
その攻撃は、「ペース&スペース」とも呼ばれ、アップテンポの速い展開からスリーポイントシュートを狙い、インサイドに空間(スペース)を作る考え方になるのです。
今回は、ダントーニ・システムについて詳しく解説していきます。
オフェンスを組み立てる上でのチームの考え方になるんだね!
ダントー二・システムは、1つの条件と2つのルールを守って完成されるんだ!
ダントーニ・システムの3つの考え方
ダントーニ・システムは、2つのルールと1つ条件が満たされた時、初めてそのシステムが機能します。
① 得点効率を考えたシュート距離
ダントーニ・システムでは、最も得点効率が高い位置からシュートを狙う決め事があります。
シュートエリアを「ゴール下シュート」「ペリメーター」「スリーポイントシュート」と3つに区切り、その中で最も効率の良いとされる飛距離から優先してシュートを狙うのです。
ゴール下シュート
1番に優先順位が高く、積極的に狙うべきシュートが、ゴール下シュートです。
ゴールに近づくに程、高い成功確率でシュートを決められる利点がある為、ノーマークであれば必ず狙ってシュートを決めましょう。
しかし、ディフェンスもゴール付近の守りを固めて来るので、簡単にフリーの状況は作れないでしょう。
スリーポイントシュート
ゴール下の次に狙うべきシュートがスリーポイントになります。
通常の「2点」とは異なり、スリーポイントは1.5倍の「3点」が加点される為、最も得点効率が良いシュートと言えます。
またスリーポイントは、半円形の線が引かれている通り、普段から慣れた距離感でシュートをリリース出来るのもメリットの一つです。
ペリメーター
最も得点効率が悪いと考えられているのが、ペリメーター(ミドル)からの距離になります。
「ミドル」と呼ばれる範囲は広く、都度、放たれる距離間は変化してしまいます。
その為、シュート成功率の期待値は安定しないと、ダントーニ・システムでは考えられており、積極的に狙うべきではないとされているのです。
② 7秒以内の素早い攻撃
ダントーニ・システムでは、「7秒以内」にシュート狙う目標タイムが明確に定められています。
下記に7秒以内に攻めるメリットについて確認していきましょう。
【7秒以内に攻めるメリット】
・ディフェンスに穴が作られ易い
・シュートに対する積極性が生まれる
・24秒バイオレーションが無くなる
ディフェンスに穴が作られ易い
攻守の切り替えが起こる「トランジション」の場面では、ノーマークの選手が作られ易くなります。
具体的に7秒という数字が設定されている理由も、相手がマークを捉え切るまでに、約7秒の時間が掛かってしまうと考えられているからです。
成功確率の高いノーマークシュチュエーションから、積極的にシュートを狙わせる意図があるのです。
シュートに対する積極性が生まれる
元来のセットオフェンスでは、「丁寧に」、「よりチャンスの場面」を探してパスを回してしまい、選手の積極性が無くなってしまう事も考えられました。
7秒以内の時間を定める事で、選手達のゴールに対する積極性を増す効果が期待できるのもダントーニ・システムの強みでしょう。
24秒バイオレーションが無くなる
オフェンスは、1回の攻撃に「24秒」のショットクロックが設けられています。
ゆっくり24秒を使って、シュートを狙うスタイルだと「24秒ルール」のバイオレーションになってしまう場合もあります。
しかし、7秒以内にシュートまで持っていく意識を作る事でバイオレーションを減らし、自分達のタイミングからシュートチャンスが作れるのです。
③ 優秀なポイントガード
ダントーニ・システムは、上記で解説してきた2つのルール(①、②)を守れば完成する訳ではありません。
ダントーニ・システムを成立させる為には、チーム内に「優秀なポイントガード」がいる必要があるのです。
優秀なポイントガードの定義は、大きく2つ考えられます。
・高い得点能力を備えている
・広い視野を持っている
先ず、ボールを長くコントロールするポイントガードは、ゴールへと切り込むドリブルスキルと、自身が外角からシュートを狙う得点能力を備えてなければなりません。
また、ポイントガードが敵のディフェンスをかき乱す事で、周りの選手にノーマークが作られる為、的確にスペースへパスを捌いてアシストするのです。
ダントーニ・システムの戦術
ダントーニ・システムを活かす戦術として、多く用いられるのが「ピック&ロール」です。
ピック&ロールとは、アウトサイドにいるボールマンに対してスクリーンを作り、2対2を展開するフォーメーションになります。
優秀なポイントガードがスクリーンを使ってオフェンスを組み立てる事で、より動きの中からチャンスを作る事が出来るのです。
ピック&ロールで作られたスペースにパスを捌くのだ!
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ダントーニ・システムをまとめると、優秀なガードを中心に、7秒以内にスリーを狙い、空いたスペースから確実にゴール下を決める戦略になります。
高度な戦術になる為、選手全員がルールを徹底して守る意識と高い能力を備えたポイントガードが必須条件になるでしょう。
コメント