この記事で分かること!
・スモールボールとは何か
・スモールボールのメリットとデメリット
① 小回りが利く(メリット)
② 高い走力がある(メリット)
③ ミスマッチが作られる(デメリット)
・スモールボールの戦い方
・スモールボールのオフェンス
・スモールボールのデフェンス
・スモールボールのセットオフェンス
スモールボールとは
小さい選手を中心にチーム編成が行われ、スピードとアウトサイドシュートを重視した攻撃スタイルを「スモールボール」と呼びます。
近年のバスケでは、2メートル前後の選手がポイントガードを務めるなど、選手の大型化が進んでおり、小さい選手(スモールプレーヤー)の活躍がし辛いのが現状です。
特に日本人選手は、世界の選手に比べると体格に劣る為、否が応でも、このスタイルの勝ち方を学ばなければならないと言えます。
今回は、スモールボールの戦略と考え方について詳しく解説していきます。
身長差は勿論だけど、パワーや跳躍力も日本人選手は、海外の選手に劣ってしまうイメージがあるね。
国内のバスケチームでも高いレベルになると大型の選手が沢山いるぞ!
しかし、利点ではあっても必ず勝てるとは限らないんだ!
スモールボールのメリットとデメリット
小さい選手で編成されたスモールボールでは、どの様な点に優れ、また、劣るのかを理解しなければなりません。
① 小回りが利く (メリット)
小さい選手は大きい選手に比べて、小回りの利いたプレーが強みになります。
特にドリブルでは、コートとの距離が近い分、素早く取られにくいドリブルが行える特徴があるのです。
大きい選手の懐に入り込み、ドリブル突破を目指しましょう。
② 高い走力がある(メリット)
スモールボールを実現するには、いかに相手より多く走れるかが生命線になります。
大きい選手に対抗するには、「ブロックショット」などの縦の動きではなく、「フットワーク」や「運動量」といった、横の動きで翻弄する必要があるのです。
大きい選手よりも速く動くことだけでなく、多く動いてチャンスを作るのです。
③ ミスマッチが作られる (デメリット)
スモールボールの最大のデメリットは、高さの「ミスマッチ」が作られやすい点にあります。
高さのミスマッチは、身長差があるマッチアップに対して、ポストプレーやリバウンドを狙われてしまう事を指します。
しかし、アウトサイドからの1対1の場面では、低身長の選手にもプラスに作用する時があります。
体格の大きい選手は、フットワークが苦手な選手が多く、低身長の選手の機動力に付いていけない事が多々あるのです。
スモールボールでは、外角から積極的に1対1を狙ってシュートチャンスを作る事も、一つの戦略になるでしょう。
スモールボールの戦い方
バスケゴールは、305センチの高さにあるリング(一般公式)に対して、シュートを決める競技になる為、よりゴールに近い長身選手が有利に働きます。
しかし必ずしも、長身選手だけで編成されたチームが勝てる訳ではありません。
小さい選手達で勝利を掴む為の戦略について考えていきましょう。
スモールボールのオフェンス
スモールボールで攻撃を行う上で、相手チームのリズムに合わせてオフェンスを組み立ててはなりません。
オフェンスのポイントについて確認していきましょう。
ファーストブレイク(速攻)で点を取る
セットプレーでじっくり攻撃を組み立てた場合、スモールボールでは選択肢が限られてしまいます。
身長差を無くす為には、いかに速い展開から自分達のリズムでシュートまで持っていけるかが重要になるのです。
その為には、「ファーストブレイク(速攻)」からの得点方法を覚える必要があります。
トランジション(攻守の切り替わり)から素早くボールを運び、「アウトナンバー」の状況を作って得点を狙いましょう。
※ファーストブレイクについて詳しくはコチラ
※アウトナンバーの練習について詳しくはこちら
スリーポイントシュートを狙う
仮に、セットプレーから得点を狙う場合は、「スリーポイントシュート」を積極的に狙いましょう。
スリーポイントシュートは、チームに得点が3点入るだけでなく、ディフェンスの意識を外に向ける効果も期待出来ます。
相手が外角からの攻撃を強く警戒する事で、インサイドにスペースが生まれ、ドライブやカッティングがやりやすくなるのです。
スモールボールでは、アウトサイドシュートの精度を高める事が必須課題と言えるでしょう。
スモールボールのディフェンス
相手の高さに対抗する為には、どの様なディフェンスを敷くべきでしょうか。
オフェンス同様に、自分達の流れに持ち込む為、攻めのディフェンスを行わなければなりません。
オールコートプレスでボールを奪う
相手の高さの利点を潰すには、コート全面を使った「オールコートプレス」が有効になります。
ハーフコートディフェンスでは、相手の攻撃を待つ守りの手法になる為、ミスマッチがつかれやすく、スモールボールに不利な守り方になります。
その為、コート全面を使って前から積極的にプレッシャーをかける事で、相手のミスを誘発する事が可能になるのです。
体力消耗が激しくなるオールコートプレスですが、運動量で先手を取らなければ勝利を手繰り寄せる事は不可能でしょう。
ダブルチームでプレッシャーをかける
インサイドに対するミスマッチには、積極的に「ダブルチーム」を仕掛けます。
1対1の状態では、相手のポストプレーを守り切ることは難しくなるからです。
スモールボールでは、インサイドの守りを1人ではなく、2人、3人と複数人で連携しながら守りましょう。
スモールボールのセットオフェンス
バスケの攻撃ポジションの基本は、2ガード、2フォワード、1センターが一般的です。
しかし、スモールボールでは、ガードを増やした機動力重視のセットを組み立てる必要があります。
スリーガード
ガードを3人配置したオフェンス戦略が「スリーガード」になります。
より、機動力を活かした戦術が行え、ガードの中でも「ハンドラー」「シューター」など、様々なタイプを織り交ぜる事で、攻撃のバリエーションを増やす事が出来ます。
フォーガード
スリーガードから更にガードポジションを増やしたセットが「フォーガード」になります。
あまり見かける事は少ないですが、スリーガードよりも更にスピード重視の布陣になります。
ファイブアウト
センターが不在のチームに最適なセットオフェンスが「5アウト」になります。
選手全員がアウトサイドから得点を狙える条件で、よりインサイドのスペースを活用した戦略が組み立てられます。
オフェンスフォーメーションである「フレックスオフェンス」などと組み合わせて使えば、機動力を最大限に発揮出来るでしょう。
ガード中心に編成されたチームは「スピード」が大切だぞ!
さいごに
いかがでしたでしょうか。
スモールボールでは、いかに自分達のペースでバスケを作れるかが大切になります。
冒頭でも述べた様に、近代バスケでは大きくて動ける選手が増えてきている為、小さい選手ならではの戦い方を覚える必要があるのです。
相手よりも多く動いてチャンスを作れれば、スモールボールを成功に繋げられるでしょう。
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