この記事で分かること!
・スペインピックとは何か
・スペインピックの動き方について
① ボールマンに2枚目のスクリーンを作る
② ピックのスクリーナーにスクリーンを作る
・スペインピックの注意点
・元来のピックよりもスペースが狭くなる
・ボールマンの能力がより重要になる
・2人目のスクリーナーの動きが大切
スペインピックとは
元来のピック&ロールから、更にもう1人の選手がスクリーンを作り、チャンスを広げる戦術を「スペインピック」と呼びます。
2016年のオリンピック(リオデジャネイロ)で、スペイン代表のチームが使っていた事から名前が付けられており、その時のスペイン代表は銅メダルを獲得しました。
元来のピック&ロールでは、ボールマンとスクリーナーの2人で作られる2対2の攻撃手法でしたが、もう1人のオフェンスがスクリーンに参加する事で、更にディフェンスの綻びを狙える戦術に進化するのです。
今回は、スペインピックの動き方から注意点について解説をしていきます。
基本的なピック&ロールと何が違うの?
オフェンス2人で行うフォーメーションから、もう1人の選手が加わりチャンスを広げるんだ!
スペインピックの動き方
スペインピックのやり方は、大きく2種類のパターンに分けられます。
それぞれの動きについて確認していきましょう。
スペインピックの動き方(パターン1)
① ボールマンの青1に対して、青5がスクリーンを作りにいきます。
② 青1がドライブを行うタイミングで、更にそこから青5のディフェンスに対して、青4がスクリーンを作ります。
③ 青1がゴールにドライブ、青5はゴールに対してロール、青4はアウトサイドへポップアウトします。
青4が青5のスクリーナーへ壁を作る事で、ゴール下にチャンスが生まれやすくなるのです。
スペインピックの動き方(パターン2)
① ボールマンの青1に対して、青5がスクリーンを作りにいきます。
② 青1のドライブに合わせて、青4が更に青1に対してスクリーンを作ります。
③ 青1がゴールにドライブ、青5はゴールに対してロール、青4はアウトサイドへポップアウトします。
ボールマンの青1に対して、スクリーンを2枚作る事で、ドライブで切り込みやすく出来るのです。
スペインピックの注意点
スペインピックは、通常のピック&ロールよりもチャンスが作りやすい分、相応の難しさもあります。
スペインピックの注意点について見ていきましょう。
元来のピックよりもスペースが狭くなる
元来のピック&ロール(2対2)に比べて、3対3から攻撃を狙うスペインピックは、スペースが狭くなってしまいます。
スペースが狭くなる事は、時に機能的なオフェンスが出来なくなる恐れがあります。
最初のセットの段階から、各選手が出来る限り広くコートを使い、目一杯スペースを作って始動しましょう。
ボールマンの能力がより重要になる
スペインピックは、ボールマンのスキル次第で成功確率が大きく変化します。
ゴールにロールする選手、ポップアウトする選手、そして、アウトサイドに待ち構えてシュートを狙う選手など、ディフェンスのポジショニングによって、チャンスは多く生まれます。
しかし、生まれたチャンスに対して、適切にアシストが送れるか、又は自分で切り込み得点を狙えるかは、ボールをコントロールするガードのスキル次第と言えるでしょう。
2人目のスクリーナーの動きが大切
2枚目の壁となるスクリーナーの動きには、重要な役割があります。
ただ、漠然とスクリーンをかければ良い訳ではありません。
・スクリーンを作るポジショニング
・ディフェンスが引っかかる角度
・オフェンスの動きを見計らったタイミング
ディフェンスが嫌がるであろうスクリーンを作らなければ、ただ単にスペースを潰すだけの存在になってしまうのです。
また、スクリーンをかけた後は、外へポップアウトする動きになるので、アウトサイドシュートの精度も試されます。
3人でオフェンスが作られる分、難易度も増し、ボールマンの能力も試される戦術だ!
さいごに
スペインピックは、中級〜上級者向けの戦術になり、個人の能力次第で、その威力は大きく変わります。
ガードの総合力、センターのパワープレー、そして、他の選手達のシュート力によって、スペインピックは、強力なチームの武器になるでしょう。
ピック&ロールを得意とするチームは、是非、取り入れてみましょう。
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