この記事で分かること!
・カッティング(カット)とは何か
・カッティング(カット)を使う効果について
・カッティング(カット)の種類
1.Iカット
2.Vカット
3.Lカット
4.カールカット
5.フレアカット
6.フロントカット(ボールサイドカット)
7.バックドアカット
8.ディープカット
9.シャロウカット
10.フラッシュカット
・フォーメーションで使われるカッティング(カット)
1.UCLAカット
2.フレックスカット
3.シャッフルカット
カッティング(カット)とは
オフボールの状況からダッシュや切り返しを行い、オフェンスの優位な状態でボールを受ける事を「カッティング」若しくは「カット」と言います。
カッティングは、激しい二線ディフェンス(ディナイ)をかわす為に、必須となる技術と言えます。
オフェンス能力の高い選手は、ボールを保持している状況よりも、ボールを受け取るまでの工程が上手く、ディフェンスの「目線」や「スペース」の隙を突いてチャンスを演出します。
今回は、カッティングの種類とその効果について解説していきます。
カッティングはどんな効果があるの?
カッティングする事で自分が得点を取る事だけでなく、チームオフェンスのリズムを作る事ができるぞ!
カッティング(カット)を使う効果
カッティングは、オフェンスにとって大きな効果を与えます。
オフェンスに優位なポジショニング
カッティングを使う一番の理由がポジショニングの確保です。
オフェンスは、「ノーマーク」且つ「ゴールに近い」距離からのシュートが理想となります。
この2つを実現させる為には、カッティングを上手く使う事で、オフェンスにとってベストなポジショニングから得点を狙う事に繋がるのです。
チームディフェンスを崩せる
カッティングを成功させる事で、ディフェンスの陣形を崩す事が出来ます。
必ずしも自らが得点を取る必要はなく、自分がゴールに切り込み、スペースに対して動く事で相手のディフェンスを引き付け、周りの仲間達を活かせます。
スペースに対してカッティングを行う事は、攻撃に動きとリズムを作る事が出来るのです。
身体能力が低くても得点を狙える
カッティングは、必ずしも高い身体能力を備えている必要はありません。
大切になるのは、ディフェンス位置の把握です。
ディフェンスの立ち位置や視線の裏を取り、常に相手の嫌がるスペースに対して、カッティングが出来れば、必ずチャンスを作る事が出来るでしょう。
カッティング(カット)の種類
Iカット
① 青2がゴール真下まで自分のマークマンを引き付けます。
② 青2のマークマンのディフェンスが下がった事を確認したら、元のポジションに戻りボールを貰います。
オーソドックスなパスの受け方の一つになります。
動きの形がローマ字の「I」に似ている事からIカットの名前が付けられています。
Vカット
① 青2がゴール真下まで自分のマークマンを引き付けます。
② 青2のマークマンのディフェンスが下がった事を確認したら、元のポジションから少しボールをミートする形でパスを受けにいきます。
動きの形がローマ字の「V」に似ている事からVカットの名前が付けられています。
Lカット
① 青2はローポスト付近から始動し、ハイポストへ上がります。
② ハイポストからアウトサイドに広がりボールを受けます。
ハイポストでボールを受ける事が理想ですが、スペースが狭い時やディフェンスのプレッシャーがある場合にアウトサイドへ広がります。
動きの形がローマ字の「L」に似ている事からLカットの名前が付けられています。
カールカット(Cカット)
青2と青5が重なる「スタックポジション」から始動します。
① 青2はゴールの真下まで自分のマークマンを引き付けます。
② 青5のスクリーンを利用し、青2はスクリーナーの周りを1周する様に回りボールを受けます。
カール(Curl)のイニシャルから「Cカット」とも呼ばれ、マークマンが動きについて来れていない時、よりゴールに近い位置でボールを受ける事が出来ます。
フレアカット
① 青2はマークマンのディナイが厳しい場合、ボールマンとゴールから遠い位置でボールを受けにいきます。
ゴール下にもスペースがなく、マークマンのディナイも強い場合に効果的です。
フロントカット(ボールサイドカット)
① 青2が自分のマークマンと青1のボールマンの間を通り、ゴールに向かってカッティングを行います。
ディフェンスとのぶつかり合いは必須になる為、タイミングと強いフィジカルがないと成立が難しいカッティングとなります。
バックドアカット
① 青2のマークマンの死角を突き、ゴール付近にあるスペースへカットし、ボールを貰いにいきます。
「インサイドにスペースがある」「ディナイディフェンスの死角に入る」この二つを成立させる事でバックドアカットを行う事が出来ます。
フロントカットと比較して相手との衝突も少ない為、成功すればスムーズに得点を狙う事が可能になります。
ディープカット
① ボールサイドとは反対にいる青2が、ベースライン沿いを通り、ボールを受けにいくカットです。
スピードのある選手が使う事で、ディフェンスのマークを外す可能性が高まります。
シャロウカット
① 青2はアウトサイドからペイントエリア付近を通り、違う場所のアウトサイドに抜けてボールを受けにいきます。
シャロウには「浅い」という意味があり、ゴール下まで深くは入らず、浅く入る動作がシャロウカットにあたります。
マークマンのディナイが弱い時にゴールまで引き付ける必要がないので、最低限の動きでボールを受ける事が出来ます。
フラッシュカット
① 青5のインサイドプレイヤーがローポストからハイポストへ上がりボールを受けにいきます。
ハイポストはオフェンスの中心地点になる為、相手のディフェンスを縮小させる事が出来ます。
フォーメーションで使われるカッティング(カット)
フォーメーションの中で組み込まれるカッティングも様々にあります。
UCLAカット
① 青1は45度にいる青2へパスを送ります。
② インサイドの青5はハイポストへ上がり、青1に対してバックスクリーンを掛けます。
③ 青1は、青5のスクリーンを使いゴールへカッティング(UCLAカット)します。
一連の動作をUCLAカットと呼び、45度でボールを受けたフォワードは、センターへのパス、ガードのカッティングへの合わせ、そして自らの1on1と様々なバリエーションを作る事が出来ます。
フレックスカット
① ボールサイドにいる青5が反対サイドのコーナーにいる青2に対してスクリーンを掛けにいきます。
② 青2はスクリーンを利用し、ボールサイドへカッティングを行いボールを受けにいきます。
フレックスオフェンスで使われるフレックスカットは、ディフェンスの死角を突いたバックスクリーンが特徴です。
フレックスオフェンスをチーム全員が理解出来れば、フレックスカットを繰り返し使った攻撃が可能となります。
シャッフルカット
① ハイポストの青5が反対サイドの45度にいる青2に対して、スクリーンを仕掛けます。
② 青2はスクリーンを利用し、ゴールに対してカッティングを行いボールを受けにいきます。
シャッフルカットは、フレックスカットの動きに似ていますが、組み込まれるフォーメーションとスクリーンの角度が変わります。
カッティングの種類も沢山あり、その時のディフェンス位置や動きを読んで、自分の動きを考えよう!
さいごに
カッティングはディフェンスの立ち位置やスペースによって、その使い方が変わります。
一度上手く行ったカッティングだからと言って、ディフェンスに何度も通用する訳ではありません。
大切になるのは、カッティングの種類を広く認識し、状況を見て使い分ける事と言えるでしょう。
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