この記事で分かること!
・ウエイトトレーニングとは何か
・バスケにおけるウエイトトレーニングの効果
・ウエイトトレーニングのメニュー 10選
① ベンチプレス
② ダンベルプレス
③ ダンベルフライ
④ スクワット
⑤ ダンベルランジ
⑥ デッドリフト
⑦ ベントオーバーローイング
⑧ アームカール
⑨ ダンベルショルダープレス
⑩ サイドレイズ
・重量設定はどうするべきか?
・ウエイトトレーニングを行うペース
ウエイトトレーニングとは
ダンベルなどのウエイト器具を使い、筋肉に負荷をかけて行うトレーニングを「ウエイトトレーニング」と言います。
対して、ウエイト(重り)を使わずに自身の体を支えて、負荷を掛ける手法を「自重トレーニング」と呼ばれます。
ダンベルやバーベルといった重りを扱う事により、トレーニング効率を高め、より強く逞しい肉体を手に入れる事が出来ます。
しかし、誤ったやり方や集中がない状態でトレーニングをすれば、大きな怪我に繋がる危険性もあるので、十分に注意が必要になるのです。
ウエイトトレーニングって自重トレーニングとは何が違うの?
ダンベルなどの重りを利用して筋肉に負荷をかけるトレーニングなんだぞ!
バスケにおけるウエイトトレーニングの効果
ウエイトトレーニングは、体を大きくして筋力を高める為に行われます。
では、バスケにおいて、どの様な効果が期待できるのでしょうか。
① 当たり負けない肉体作り
ウエイトトレーニングの1番の狙いは、筋肉量を増やし、当たり負けしない強い肉体を手に入れることです。
特に、インサイド付近で戦うポジションでは、激しいぶつかり合いの連続になります。
ポジション取りやリバウンド争いで、イニシアティブ(主導権)を取るには、ウエイトトレーニングでの強化は欠かせないと言えるでしょう。
② バスケスキルの質を高める
筋力を上げることで、バスケスキル全般の底上げが可能になります。
・シュートの飛距離を伸ばせる
・素早いドリブルができる
・強いパスが出せる
バスケテクニックのクオリティを更なる高みへと持っていけます。
③ 外見が変わることで相手を威圧できる
強いチーム程、普段から激しいトレーニングが連想できる体格をしています。
逞しい肉体である程、日々トレーニングを積み上げてきた証拠なのです。
試合が始まる前から、相手チームに強そうなイメージを持たせるだけで、優位に試合を進められ、精神的なアドバンテージを獲得できる事もあります。
④ 怪我の防止、予防
バスケットボールは、常に激しい接触を伴う競技になります。
その為、思わぬ怪我を引き起こす可能性も想定されるのです。
例えば、大人と子供が本気でバスケをした時、体が成長過程である子供は、怪我のリスクが高くなるのと一緒で、体の大きさは怪我予防の重要な要素になるのです。
怪我を未然に防ぐ為には、強靭な肉体を作り上げる必要があるのです。
ウエイトトレーニングのメニュー 10選
ここでは、主に「ダンベル」と「バーベル」を使ったトレーニングメニューをお教えします。
マシンを使って行うトレーニングも効果的ですが、使える環境を考慮して「フリーウエイト」に絞ってご紹介します。
① ベンチプレス
「ベンチプレス」は、大胸筋(胸)をメインに鍛えられるトレーニングですが、大胸筋だけでなく腕や肩にも負荷がかけられることから、効率の良いウエイトトレーニングになります。
【トレーニング手順】
1.ベンチ台に仰向けになります。
2.背中を少し浮かせ、接地面は、両足、お尻、肩甲骨、後頭部でバランスを取ります。
3.バーベルを持つ腕は、広げ過ぎず狭過ぎず、均等に握ります。
4.バーベルをゆっくりと胸まで下げ、真っ直ぐ天井へとセットポジションまで上げていきます。
・背中はベンチ台にはベタッと着けず、肩甲骨を寄せる様に胸を張りましょう。
・チーティング(勢い)は使わずに、大胸筋を効かせながらバーベルを上げましょう。
【Set数】
12回×2set
8回×2set
5回×2set
インターバルは2分間を目安に整えましょう。
※他種目も行う場合には、set数を自分で調整しましょう。
② ダンベルプレス
ベンチプレスと同じ体勢からダンベルを使用して、大胸筋(胸)と三角筋(肩)に効かせるトレーニングが「ダンベルプレス」になります。
バーベルと違いダンベルを下ろした時に、胸にぶつからない分、可動域が大きくより負荷がかけやすくなります。
【トレーニング手順】
1.同じ重さのダンベルを片手ずつセットして、ベンチ台に仰向けの姿勢になります。
2.ダンベルのバランスを保ちながら胸を張り、ゆっくりと胸元までダンベルを下げます。
3.ダンベルが下がったら、力を込めて真っ直ぐセットポジションに戻します。
・ベンチプレスと力の入れ方は似ていますが、より腕の力で支えるバランスが大切です。
・肩甲骨の伸縮をイメージしながら、動作を繰り返し行いましょう。
【Set数】
10回×2set
8回×2set
インターバルは2分間を目安に整えましょう。
※他種目も行う場合には、set数を自分で調整しましょう。
③ ダンベルフライ
ダンベルを使い、大胸筋(胸)と三角筋(肩)を鍛えるトレーニングです。
ダンベルプレスが肘を曲げる昇降動作でしたが、肘を固定させて外側へダンベルを広げる動作が「ダンベルフライ」になります。
【トレーニング手順】
1.ベンチ台に仰向けで横になります。
2.両手でダンベルを持ち、天井へ伸ばしてポジションを作ります。
3.肘は少し曲げた状態をキープして、ゆっくりと体の外側に向けてダンベルを広げます。
4.自分の肩まで腕を広げたら、セットポジションにゆっくり戻します。
・ダンベルを戻す時、大胸筋の内側を潰すイメージで刺激を与えましょう。
・怪我の危険性が高くなる為、ダンベルフライをやる時は、高重量は控えましょう。
【Set数】
10回×2set
8回×2set
インターバルは1分間を目安に整えましょう。
※他種目も行う場合には、set数を各自で調整しましょう。
④ スクワット
重りを付けたバーベルを担ぎ、膝を曲げてお尻の昇降を行うトレーニングが「スクワット」になります。
お尻や太もも、下半身全体が鍛えられるトレーニングの為、力強い足腰を作ることが出来ます。
人の体の構造でも下半身の筋力は、非常に大きな筋肉になる為、重要なトレーニングとなります。
【トレーニング手順】
1.両足を肩幅よりも少し広くスタンスを取ります。
2.バーベルを首より下の両肩で支える様に担ぎ上げます。
3.肩甲骨を寄せて、胸を張り背筋を伸ばします。
4.バーベルの昇降は真っ直ぐに、お尻を後ろに突き出すイメージで、ゆっくりと腰を落とします。
5.膝を90度まで曲げたら、セットポジションに戻ります。
・膝を痛めるリスクを考え、フルスクワットの様にしゃがみ込まず、ハーフスクワット(90度)の位置で屈伸させると良いでしょう。
・常に目線は、真っ直ぐ前を向きましょう。
・背中は丸めずに肩甲骨を寄せて、胸を張った姿勢をキープさせましょう。
【Set数】
12回×3set
8回×3set
インターバルは2分間を目安に整えましょう。
⑤ ダンベルランジ
ダンベルを両手で持ち、片足を前に大きく踏み込み戻すトレーニングが「ダンベルランジ」になります。
踏み込みの際に、腰を深く降ろすことで、腿四頭筋とハムストリングに負荷を与えて鍛えられます。
【トレーニング手順】
1.ダンベルを持ち、直立で両足を揃え、セットポジションを作ります。
2.片方の足を前方へ大きく踏込み、その瞬間に腰を真下へと下げます。
3.片膝を床に着けるギリギリまで下ろしたら、ゆっくりと腰を上げていきます。
4.前方に出した片足を元のセットポジションに戻し、次は反対側の足でランジを行い繰り返します。
・腰を下ろしたら1番低い位置で1秒程度、動きを止めるとより下半身に負荷をかけられます。
・背筋は真っ直ぐに固定し、目線は常に前を向いている様にしましょう。
【Set数】
20回×3set
インターバルは2分間を目安に整えましょう。
⑥ デッドリフト
バーベルを背中の力を使って引き上げるトレーニングを「デッドリフト」と言います。
メインは広背筋(背中)を狙ったウエイトトレーニングですが、太ももやお尻、腕まで幅広く筋肉に負荷をかけられます。
デッドリフトは、ベンチプレス、スクワットと並ぶ「パワーリフティング」の種目の一つになります。
【トレーニング手順】
1.両足のスタンスは肩幅程度に広げ、バーベルを握る位置を定めます。
2.お尻を後ろへ突き出す様に膝を曲げ、背中を丸めずに胸を張ります。
3.脛から膝、そして腰へとバーベルを真っ直ぐ持ち上げていきます。
4.腰元までバーベルを上げたら、1秒程度キープして下ろしていきます。
・初心者の人は、重りは付けずに、バーベルのみでフォームを固めてから負荷を増やしていきましょう。
・他の種目より、重い重量を扱う種目になるので、腰などに違和感がある場合には、トレーニングを控えましょう。
【Set数】
10回×4set
インターバルは2分間を目安に整えましょう。
⑦ ワンハンドローイング
片手でダンベルを引き込んで、広背筋と僧帽筋(首と肩の間)に負荷を与えるトレーニングを「ワンハンドローイング」と言います。
上半身の中でも、背中の筋肉は大きい部位になるので、筋肉が付くと見栄えがハッキリと変わってきます。
【トレーニング手順】
1.片手と片膝をベンチ台に着いて、反対の手でダンベルを握ります。
2.背筋は伸ばして胸を張ったまま、前傾姿勢で体を固定させます。
3.ダンベルをゆっくりと下から引き上げて、肘を背中の後ろに引き付けるイメージで持ち上げます。
4.引き込んだ際に、背中の力をグッと入れて、ゆっくりとセットポジションへ戻しましょう。
・背中にダンベルを引き付け、背筋に力を入れましょう。
・背中が丸まらない様に、胸を張って背筋を固定させましょう。
【Set数】
左右10回×3set
インターバルは無く左右交互に行いましょう。
⑧ アームカール
「アームカール」は、肘を固定し、バーベルを昇降させて、上腕二頭筋(二の腕)を鍛えるトレーニングになります。
腕の厚みを作り、筋肉のメリハリを作れます。
【トレーニング手順】
1.直立の状態から、肩幅に合わせた位置でバーベルを持ちます。
2.肘は体の横に固定して動かさない様にします。
3.バーベルを腰から胸、胸から腰へと、ゆっくりと昇降を繰り返します。
・バーベルを胸から下ろす時、上腕二頭筋の力は抜かずにゆっくりと下げましょう。
・動作中、上体を気持ち前傾気味にするとチーティングを使わずに、効率よく上腕二頭筋に負荷を与えられます。
・バーベルだけでなく、ダンベルを使っても鍛えることが可能です。
【Set数】
15〜20回×3set
インターバルは1分間を目安に整えましょう。
⑨ ダンベルショルダープレス
肩から天井に向けて、ダンベルの昇降を繰り返すトレーニングが「ダンベルショルダープレス」になります。
三角筋(肩)に負荷を与えて、大きな肩周りを作ります。
【トレーニング手順】
1.椅子に座った姿勢から、太ももを使ってダンベルを耳の横に構えます。
2.肩甲骨を寄せる様に胸を張り、耳の横にセットしたダンベルを天井へと真上に伸ばしていきます。
3.ダンベルを下ろす時は、ゆっくりと元のセットポジションに戻します。
・ダンベルを天井へ伸ばした際、肘は伸ばし切らずに少し曲げた状態で支えると、力を逃さずに負荷が入ります。
・バーベルを使ってのトレーニングも可能になります。
【Set数】
12回×3set
インターバルは1分間を目安に整えましょう。
⑩ サイドレイズ
両腕を体の横へ大きく広げて、肩関節の力のみでダンベルを上げるトレーニングが「サイドレイズ」になります。
ダンベルショルダープレスと同じく三角筋(肩)を鍛えられるトレーニングになります。
【トレーニング手順】
1.両足を揃えた状態で直立し、両手でダンベルを持ちます。
2.ダンベルを体の真横から肩の位置まで挙上させます。
3.ダンベルを下ろす時は、力を抜かずにゆっくりと下げていきます。
・肘は少し曲げた状態を常時キープする事で、挙上させる事で、肩に効率よく刺激を与えられます。
・目標回数までは肩の力を抜かず、常に力が入っている状態で負荷を与えましょう。
【Set数】
10〜12回×3set
インターバルは1分間を目安に整えましょう。
重量設定はどうするべきか?
重量設定は、目標回数がギリギリ行える重さが理想的です。
ウエイトトレーニングは、ただ重たい物を持ち上げれば良いと言う訳ではありません。
重要になるのは、筋肉に刺激が効かせられているかを、自分自身が実感できているかがポイントです。
それは、重量が軽過ぎても良いという訳ではないので、先ずは、自分に合った重量を見つけることが大切になるでしょう。
ウエイトトレーニングを行うペース
ウエイトトレーニングは、バスケの練習終わり、若しくは、バスケの練習がないオフの日を中心に行いましょう。
練習前にウエイトトレーニングを行えば、バスケの技術にも影響が出てしまい、練習効率を落としかねません。
また、毎日行えば良いと言う訳ではなく、適切なペースでトレーニングを行うべきです。
筋肉痛が残っていない状態で、2〜3日に1回のペースで行うことが理想です。
あくまでも、バスケの為のウエイトトレーニングである事を理解するんだぞ!
さいごに
いかがでしたでしょうか。
重りを持って負荷をかけるウエイトトレーニングは、自分の体を支える自重トレーニングに比べて、効率の良いメリットがあります。
しかし、その反面で怪我や関節を痛めてしまう危険性も考慮しなければならない為、まだ、体が出来ていない小・中学生には向かないトレーニング手法でもあります。
高校生や大学生は、正確な知識とフォームを身に付けてウエイトトレーニングを組み込む事をおすすめします。
コメント
サイドレイズの説明箇所にダンベルフライと書いてあります。ご確認お願いします。息子が高校でバスケしており、ダンベルを買ってくれと言い出しました。なにを買ったらいいのか、トレーニングのやりかたなど、私自身知識がなく途方に暮れておりましたところ、このサイトで何となくイメージが持てました。貴重な情報をありがとうございます。勉強させていただきます。
修正箇所の指摘有難うございます。
正直、初めてこの様なコメントを頂いたので嬉しいです。
自分が書いた記事が誰かに見て頂いて、何か少しでも役に立てているのだと実感が出来ました。
自分自身まだまだ未熟な部分が多いですが、より良いコンテンツを提供出来ればと励みになります。
至らぬ点がありましたら、またコメントいただければと思います。
ありがとうございます。