この記事で分かること!
・パックラインディフェンスとは何か
・パックラインディフェンスの特徴とは
・パックラインディフェンスの動き方
① ボールマンディフェンスはタイトに行う
② ボールマン以外はパックラインまで下がる
・パックラインディフェンスの3つの決まり
① クローズアウトの徹底
② ディレクションの注意
③ ポストに対するダブルチーム
パックラインディフェンスとは
基本的なマンツーマンディフェンスから、よりインサイドを中心に守りを固める手法を「パックラインディフェンス」と呼びます。
そもそも「パックライン」とは、スリーポイントラインよりも、更に内側の事(1歩程度離れたライン)を指します。
実際に、見える線が引かれている訳では無く、仮想の線を表してパックラインと呼ばれているのです。
この仮想の線を意識したディフェンス手法がパックラインディフェンスになるのです。
普通のマンツーマンディフェンスと何が違うの?
基本的なマンツーより、インサイドを主体に守りを固めるんだぞ!
パックラインディフェンスの特徴
パックラインディフェンスを行う意図は、守りをインサイドに固めて、ドライブに対するプレッシャーを強化する事にあります。
ディフェンスが常に、パックラインよりも中に集まる事で、中へのパスやドライブがやり難くなり、相手チームのアウトサイドシュートを放つ本数が多くなります。
遠い距離からのシュートは、おのずと成功率も下がるので、チームの勝率を高められる特徴が考えられるのです。
パックラインディフェンスの動き方
パックラインディフェンスの動き方は、2つのポイントを押さえて行います。
① ボールマンディフェンスはタイトに行う
パックラインディフェンスは、インサイドに守りを固める手法ですが、ボールマンディフェンスは例外になります。
基本的なマンツーマンディフェンスと同じで、ボールマンに対しては、タイトにプレッシャーをかけて、簡単にシュートをさせないディフェンスを行います。
② ボールマン以外はパックラインまで下がる
基本的なマンツーマンディフェンスとパックラインディフェンスの大きな違いは、この二線の動きにあります。
元来のマンツーマンの二線で守る姿勢は、マークマンへ覆い被さる「クローズドディナイ」が原則的な守り方になります。
自分のマークマンへ被さる事で、パスコースが遮断され、スティールを狙い易くするのです。
しかし、パックラインディフェンスの二線は、ボールマンに正対する「オープンディナイ」の姿勢を作ります。
オープンディナイで構える事で、ドライブに対して、素早いダブルチームが行えるのです。
パックラインディフェンスの3つの決まり
パックラインディフェンスを成功させる上で、徹底しなければならない3つのルールについて確認していきましょう。
① クローズアウトの徹底
アウトサイドシュートを中心に打たせるパックラインディフェンスですが、簡単にシュートを打たせて良い訳ではありません。
シュートに対して、クローズアウトを徹底し、プレッシャーをかける必要があるのです。
クローズアウトとは、ディフェンスがボールマンとの間のスペースを詰め寄る一連の動作を言います。
ダブルチームを積極的に行うパックラインディフェンスでは、パスを捌かれた際、このクローズアウトを行う場面が多くなります。
ボールマンに対して、シュートチェックの腕を伸ばして、ハーキーステップで空いたスペース(空間)を素早く潰しましょう。
② ディレクションの注意
ディレクションとは、オフェンスを抜かせる「方向付け」を表します。
ドライブをさせる方向を絞る事で、ある程度オフェンスの動きをコントロール出来る様になるのです。
パックラインディフェンスのディレクションは、味方がいる方向へ抜かせる事を徹底しなければなりません。
例えば、コーナーにボールポジションがある時、ベースラインにドライブをされた場合、ヘルプリカバリーが出来ません。
パックラインディフェンスを行う時は、常に味方のディフェンスがいる内側にディレクションを絞る事を心掛けましょう。
③ ポストに対するダブルチーム
ポストにボールが入った場合は、逆サイドの選手がダブルチームを仕掛けましょう。
インサイドを固める為には、ポストの1対1を簡単にさせてはいけません。
リターンパスの警戒も必要になるので、出来る限り、反対サイドにいるディフェンスがダブルチームを行いましょう。
パックラインディフェンスでは、基本的なマンツーマンと異なるルールがあるんだぞ!
さいごに
いかがでしたでしょうか。
パックラインディフェンスを編み出したトニー・ベネット氏は、バージニア大学で指揮を取り、2019年にNCAAトーナメントを優勝させた名将です。
大学最高峰のNCAAでも通用する、このディフェンスシステムは、まさに鉄壁の守りと言えるでしょう。
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